５年生の理科の単元に「生き物の成長」があり、メダカの成長を観察する学習がある。

卵から無事成長した一匹を僕は水槽に入れて飼っていた。

３学期のある朝、庭に置いてあった水槽を見て、僕は驚いた。

なんと水槽の表面の水が凍ってしまっていたのだ。

そして、その中に、大事なメダカがいたのだ。

「うわあ、メダカが氷づけになってるー。」

僕は、すぐまわりの氷を割り始めた。

そして、細心の注意を払って、メダカのいる氷を取り上げた。

その氷の破片を持ち、急いで水道へ向かった。

蛇口をひねり、ゆっくりと氷の表面に水を当てた。

しだいに氷はとけ始め、メダカの体が出てきた。

傷つけないように慎重に尾っぽを持ち、無事メダカの救出に成功。

しかし、メダカはまったく動かなかった。

「あー、だめかー。」

あきらめながら、左手の手のひらにメダカを乗せ、ぬるま湯をちょろちょろと溜めはじめた。

すると、なんと、メダカがかすかに動き始めたのだ。

そして、体を左右に動かした。

「生き返った！生き返った！」

僕は、再び氷を取り去った、もとの水槽にメダカを入れてやった。

メダカは、広い水槽の中で、気持ちよさそうに泳いだ。

僕は、すぐ水槽を家の軒下へ入れた。

二度と水槽が凍ることがないように・・・。