生まれた時は、たったの１３０g。

兄弟で一番小さく、顔は真っ黒。

しばらくたっても、左目は開かない。

兄弟に押しのけられ、母さんのおっぱいもあまり吸わせてもらえなかった。

父さんは心配し、すぐ病院へ連れていった。

「この子の左目はダメかもしれない。右目も見えているかどうか・・・。」

父さんは悲しんだ。

その日から毎日、薬をやり、看病し続けた。

この子は手元で育てなければと思った。

仮面ライダーみたいに強くなるよう、名前も「クーガ」と名づけた。

あれから２年。

クーガはすくすくと成長し、体重は１３kgになった。生まれた時の１００倍だ。

幸運なことに目の病気も治った。

毎日、元気いっぱいに、めろん母さんと日本平や安倍川を走り回っている。

大晦日の今夜は父さんの隣りで、いびきをかいて寝ている。

時々寝言を言うクーガ。どんな夢を見ているのかなあ。

今年も良い年になりますように。