その日は一泊二日の親戚旅行だった。

僕たち子供７人は、畳の部屋の一つを独占し、大はしゃぎ。

隅にはマットレスが積んであった。

その上に乗って、ジャンプしたり、飛び降りたりして遊んだ。

事件はそこで起きた。

「おれ、ここから飛び込みするぞ！！」

「えっ、頭打つよー。」

「だいじょうぶ。畳だし、そこに座布団置くから。」

僕は、飛び込み先に座布団を置いた。

「みんな、見てろよ！！行くぜー、３・２・１」

弧を描き、頭の先が見事座布団に当たった。

ところが・・・・・・次の瞬間、頭を打ち付けた僕は、息ができなくなった。

のどが詰まってしまったみたいだ。

あせった。

（おれ、死んじゃうかも。）

飛び込んだことを後悔した。

涙が出てきた。

頭もすごく痛くなってきた。

（どうしよう、声も出ない。）

それから１０秒ぐらいして、再び呼吸ができるようになった。

（よかったー。ばかなことをした。）

これ以来、僕は布団の上から飛び込まないようになった。

　でも、少し首が短くなったような気がする。